公立岳樺美術工芸短期大学
岳美は明治に自由主義に傾倒した芸術家「森田應学」が関東大震災を機に出身地に戻り、祖父から続く無名の画塾を継承・発展して大学となった。学校名を決める際に山に生えた白樺より雑草魂が強く、風に吹かれても強く生き、皮が着火剤になる「ダケカンバ」に自身の理想を見出し、雑誌『白樺』に対するオマージュの意味も込めて、岳樺と名付けた。大学からそう遠くない山にはダケカンバ林がある。
岳美祭
もともとは岳美が大学化したことを祝うためのイベントだったが、現在では単純に大学祭として開催されている。学内と近くにある陣屋美術館を利用して在学生の作品展示会を行っている。年末に控える卒業制作前に自分の製作能力や今後の製作を確認するための最後の準備期間ととらえる人もいるが、単純に楽しむ人たちも多い。
陣屋美術館
陣屋とは江戸時代の幕藩体制における大名領の藩庁が置かれた屋敷、或いは遠国奉行や代官の住居および役所、知行地を支配するための屋敷。現地の名士一人息子が、ルーブル参観の際に、ルーブル美術館は王家の宮殿だった以前は要塞であることを聞いて、帰国後、親の遺産でこの地にあった「陣屋」を買い取り、陣屋美術館を開設した。この美術館にはラジオブースが併設されており、ここからラジオ局の公開収録などを行っている。